気まぐれスーパーイリュージョン – act 11

イリュージョニストの転機

春だというのに、薄く霜の下りた肌寒い朝。
その静寂の中を、軽快なエンジン音をたてて駆け抜けていく一台のスポーツカー。

目的地は、街外れのセイラン様の掘っ立て小屋お住まいのようです。

セイラン様は全く気にしてませんが、実はセイラン様宅のお隣は犯罪組織のアジトw

訪ねてきたのは…

セイラン「誰かと思えば、オリヴィエ様じゃないですか。驚きですね」
オリヴィエ「はぁーい☆セイラン、お久しぶり~」
セイラン「よろしかったら中へどうぞ。大したおもてなしはできませんけど」

ランディ「セイランさん、ご無沙汰してますっ!! お元気そうで何よりです!」
セイラン「ランディ様もお変わりなく。それにしてもビックリしたな」
オリヴィエ「とりあえずアンタが元気そうで安心したよ。スーパーイリュージョニスト目指して頑張ってるんだって?」

セイラン「ええまあ… ところでお二人がそろっていらっしゃるなんて、いったい何がそうさせたんです」
オリヴィエ「まあまあ、久しぶりに会ったんだから、そう慌てなさんなって。しかし、アンタらしいシンプルな住まいだねー」

セイラン「ええ、街外れで静かだし、気に入ってます」
オリヴィエ「あー、創作活動にはピッタリだろうね (隣がアレじゃ誰も近寄らないし)」

ランディ「そうだオリヴィエ様、せっかくですからみんなでコーヒーでも飲みに行きましょうよ! ほら、来る途中によさそうなカフェありましたし」
オリヴィエ「いいねェ、じゃ早速出かけよっか」
セイラン「(カフェなんてあったかな??)」

というわけで三人が向かった先は

オープンしたばかりのこじんまりとしたカフェ
(カジュアルなカフェが欲しくて突貫工事しましたw)

早速コーヒー片手にくつろぐも、納得いかなそうなセイラン様w
セイラン「(こんなカフェいつできたんだろう…)」
ハッキリ言うとさっきですw

↑右側の男性に注目。
彼の視線の先には…

ファン「わぁ、やっぱりオリヴィエさんですよね!! スゴイ!! サインください!」
オリヴィエ「もちろん。お安い御用さ」
ロックスターとして一世を風靡したセレブ☆4のオリヴィエ様、速攻でサインねだられてますw

セイラン「さすがオリヴィエ様ですね、ファンが放っておかない」
オリヴィエ「あーゴメンゴメン。実はさ、私も前からこの街でやりたいことがあってね。ランディを連れて、すでに引っ越してきちゃったんだ」
セイラン「え?」
オリヴィエ「これがまあまあ大きい家でさ~。で、提案なんだけど。どう? アンタもウチに引っ越してきて、私たちと一緒に暮らさない?」

割と大事な話してるのに周りがうるさい
ヴィエ様は写真撮られてるしw

セイラン「えーと…ありがたいお話ですけど、今の家は気に入ってますし、特に引っ越す必要性は…」
オリヴィエ「うん、わかってる。そういうと思った。でもね」

オリヴィエ「アンタの目指してるスーパーイリュージョニストはね、人々に夢を見せる仕事だってことを忘れちゃいけない。ただの芸術家ならどんなプライベートを過ごしててもいいさ。でも、今のアンタは違う」

セイラン「……」

オリヴィエ「スーパーイリュージョニストを名乗るなら、プライベート含めて、飛びっきりミステリアスでゴージャスな自分を目いっぱい演出しなきゃ。アンタのファンに、夢を見せてあげるために」

セイラン「…なるほど、確かに。夢の守護聖様がおっしゃるだけに、一段と説得力がありますね」
オリヴィエ「も・と、夢の守護聖ね! で、どう? 納得してくれた?」
セイラン「ええ。でも費用の面はクリアにしていただけますか。僕はお金には興味がないし持ってもいないですが、誰にも借りを作りたくないですし、誰からの援助も受けたくはない」
オリヴィエ「オッケー、じゃ決まりー! ああ、費用のことなら心配ないよ。三人で返せばすぐだって」
セイラン「か、返すって?!」
オリヴィエ「ま、詳しいことは後でw さー行こ行こ、善は急げってね♪」

オリヴィエ様の選んだ新居は高台の上のこちらの豪邸w
スターライトショアの街並みと美しい海が眼下に広がる、絶好のロケーションです。

セイラン様もご一緒に、揃って新居へご帰宅
オリヴィエ様はひどくお疲れのご様子です。
まあ、セイラン様の説得にまる一日かかりましたものねww

帰宅早々、トレーニングルームに吸引されるランディ様
ランディ「今日は全然トレーニングできなかったからなー。ちょっとだけやっとくか」
ランディ様、すでに武術レベルMAXでトレーニングの必要もないのですけど。

セイラン様はソファで読書することにしたようです。
オリヴィエ様に言いくるめられ?半強制的に同居させられてしまいましたが、二人との暮らしは、セイラン様に新しい刺激を与えてくれることでしょう。

オリヴィエ様はベッドへ直行
疲れは美容に大敵です。ゆっくりお休みください。

皆が寝静まった後もトレーニングルームでは

ランディ「眠い! 疲れた! でもまだまだこれからだ!! 頑張れランディ!!」
延々とトレーニングを続けるランディ様の姿が。
久しぶりの再登板初回から、期待を裏切らないランディ様です。

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