Happy Birthday Julious 2021

静かな夜。私邸のダイニングには、控え目な灯りと二つのグラスが用意されていた。 「ジュリアス様、お誕生日おめでとうございます。今年はお祝いにこちらのワインをご用意しました」 差し出されたボトルを受け取り、ジュリアスはラベル…

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05. あなたからのキス

「どうした、いつもの坊やらしくないじゃないか」 ある夕刻、炎の守護聖の執務室。相談があるんですと、突然訪ねてきた風の守護聖。俯くその様子は、明らかに普段の彼ではない。 「はあ…やっぱりそうですよね」 大きなため息をつき、…

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01. 始まりの合図のキス -part 2

オマケ(ピロートーク) パチ、と。時折、薪の爆ぜる乾いた音が静かなリビングに響く。 大きな暖炉の前。柔らかく、長い毛足のラグの上。肌触りのよい毛布に包まれ、揺らめく炎の光が、壁と天井に淡い影を描いていた。 ――「古びた小…

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01. 始まりの合図のキス -part 1

まだ朝もやの立ちこめる、ひんやりと澄み切った空気の中を、規則正しい蹄の音が切り裂いていく。湿り気を帯びた土の匂いと、森から流れ込む冷たい風。空は白み始めたばかりで、世界はまだ完全に目覚めてはいなかった。 オスカーは馬上で…

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