その花束、キケンにつき -part 3

「さっき、一瞬ディアの顔が曇ったのはそういうことか」 ゼフェルが呻いた。 「やっぱり、ディア様は気づいていらっしゃったんだね」 マルセルはもう一回ため息をついた。 「ディア様、花言葉にお詳しいって。たったさっきジュリアス…

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その花束、キケンにつき -part 2

一方その頃、ジュリアスの執務室では、マルセルがほっと胸を撫で下ろしていた。慌てて駆けつけてはみたものの、レポートの不明点というのは致命的なものでなく、文章が曖昧だったための確認だったからだ。 「呼び立てしてすまなかったな…

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その花束、キケンにつき -part 1

特に誘い合ったわけでもないのに、特に用もないのに。なんとなく集まってしまう交友関係は、結構よくあるものである。 今日も気が付けば、誰からともなく集まっていたランディ、ゼフェル、マルセルの三人。それぞれが好みのおやつを持ち…

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Falling Flowers II – 銀の花降る、月の夜

「ええっ、そんなことあるわけないじゃない!」 レイチェルは驚いて、手にしていたティーカップを落としそうになりながら、まじまじと目の前の少女を見つめた。穏やかな午後の、いつものお茶の時間。 「だって、本当なの。 クラヴィス…

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