
オスカー「ジュリアス様、お誕生日おめでとうございます。今年はお祝いにこちらのワインをご用意しました」
ジュリアス「ありがとうオスカー。見たところ、かなりのヴィンテージもののようだが」
オスカー「はい、俺の故郷、草原の惑星で最も古いワイナリーの地下セラーに長年保管されていたとのこと」
ジュリアス「ほう、そなたと同郷とはな」
オスカー「(頷いてグラスにワインを注ぐ) ところで、恋人と楽しむワインにはちょっとしたお作法があるのですがご興味ありますか?」
ジュリアス「それは興味深い。そなたの故郷の習慣というわけか」
オスカー「お付き合いいただけます?」
ジュリアス「もちろんだ」
オスカー「では失礼して」(グラスのワインを口に含む)
…….
ジュリアス「オスカー。口づけして良いとは言っていなかったはずだが」
オスカー「お作法にお付き合いいただけるっておっしゃいましたので…。いかがです?」
ジュリアス「ああ、まろやかで、素晴らしく香りの立つワインだが… 」
オスカー「気に入っていただけたようで何よりです。人肌に温もったひと口の、最も香りが立った瞬間をふたりで分かち合う―なかなかロマンティックだとは思いませんか」
ジュリアス「そなたの故郷では、恋人たちは普段からこのようにワインを楽しんでいるのか」
オスカー「いえ、俺がやってみたかっただけですが」
ジュリアス「……そなたの故郷の習慣ではなかったのか?」
オスカー「たった今、俺が作ったお作法ですがいけませんでしたか?」(薔薇のような笑顔)
ジュリアス「……」